なんで咳が出るの？

体が教えてくれる「気道を守るサイン」

咳（せき）は、「のどが痛い」「風邪の名残」と思われがちですが、実は体が自分を守るために起こしている自然な反応です。
気道（鼻・喉・気管・肺）は、空気と一緒にホコリや細菌、ウイルスなども取り込みやすい構造になっています。それらの異物を外に追い出し、肺を清潔に保つために、体は「咳」という方法で防御しているのです。

咳は「気道のクリーニング機能」

私たちの気道には、異物や病原体を感知するセンサー（受容体）があり、刺激を感じると脳の「咳中枢」に信号を送ります。
その結果、横隔膜や呼吸筋が働き、勢いよく息を吐き出すことで、異物を外に吹き飛ばします。
つまり咳は、肺を守る“掃除機”のような働きをしているのです。

咳が起こるときの流れ

咳は、次のような3つの動作が一瞬のうちに行われます。

この流れがスムーズに行われることで、気道の汚れや炎症の原因を外に出すことができます。

咳が出る主な原因

咳が出るのは、体の中で何かしらの刺激や変化が起きているサインです。

咳が長引くのはなぜ？

咳は一時的な反応として必要なものですが、気道の炎症や過敏状態が続くと、少しの刺激でも咳が出るようになります。
たとえば、風邪が治ったあとも気道が敏感なままだと「感染後咳嗽」に、アレルギー体質の方では「咳喘息」へと移行することがあります。
また、アレルギーや胃酸逆流の原因が続くと、咳が慢性化しやすくなります。

咳が出るタイミングで原因を推測できることも

咳がいつ・どんなときに出るかをメモしておくと、医師が原因を特定する手がかりになります。

咳を放置しないことが大切です

咳は本来、体を守るための反応ですが、長引くと眠れなかったり、体力を消耗したり、日常生活に支障が出てしまいます。
さらに、肺炎・喘息・アレルギー・結核・肺がんなど、思わぬ病気のサインであることもあります。
3週間以上続く咳は、自己判断せずに呼吸器内科を受診してください。

まとめ

咳は、外からの刺激や異物を取り除くために、体が自動的に行う防御反応です。
しかし、咳が長く続く場合は「体のSOS」であることが多く、早めの診断と治療が必要です。
方南町呼吸器内科せきとぜんそくのクリニックでは、呼気NO検査やモストグラフなどを用い、咳の原因を正確に見極めたうえで、咳止めに頼らない根本的な治療を行っています。