長引く咳とは？

風邪が治っても続く“しつこい咳”の正体

咳（せき）は、本来、ほこりやウイルスなどを外に追い出すための体の防御反応です。
通常の風邪であれば、原因が取り除かれると数日〜1週間ほどで治まります。
ところが、「風邪は治ったのに咳だけ続いている」「熱も鼻水もないのに咳が止まらない」といった症状に悩まされることがあります。
このように何週間も続くしつこい咳を「長引く咳」と呼びます。

「長引く咳」とはどんな咳？

医学的には明確な定義はありませんが、一般的には「慢性咳嗽（まんせいがいそう）」や「しつこい咳」と同じ意味で使われます。
次のような症状が当てはまる場合は、長引く咳の可能性があります。

• 風邪は治ったのに咳だけが残っている
• 3週間以上、咳が続いている
• 夜間や朝方に咳き込みやすい
• 息苦しさやゼーゼー音を伴う

このような咳は、単なる風邪ではなく気道が過敏になっているサインかもしれません。

「普通の咳」との違い

一般的な咳は1週間前後で落ち着きますが、長引く咳はそれ以上続くのが特徴です。
期間によって次のように分類されます。

3週間を超える場合は、早めに呼吸器内科など専門医の受診が勧められます。

長引く咳の主な原因

風邪がきっかけで咳が続くケースもありますが、多くの場合は別の要因が関係しています。

このような咳は、市販の咳止めだけでは改善しにくく、根本原因の治療が必要です。

咳が長引くと起こること

長引く咳は、身体にも心にも負担をかけます。

• 夜中に咳き込み、眠れない
• 日中の集中力や体力が落ちる
• 周囲の目が気になり、ストレスを感じる
• 胸や腹の筋肉を酷使して痛みが出る

このような状態が続くと、生活の質（QOL）が大きく低下してしまいます。

早めの受診が大切です

3週間以上続く咳がある場合は、呼吸器内科での検査をおすすめします。
専門医は、次のような検査で原因を特定します。

• 胸部レントゲン検査（肺や気管支の異常を確認）
• 呼吸機能検査（肺活量や気道の通り具合を測定）
• アレルギー検査（花粉やダニなどの影響を調べる）

診断結果に応じて、吸入薬・抗アレルギー薬・生活改善など、適切な治療を行うことで改善が期待できます。

まとめ

「長引く咳」は、風邪の延長ではなく、体からのサインであることが多いです。
咳喘息、アレルギー、胃酸逆流など、さまざまな原因が関係している可能性があります。
「咳が止まらない」「風邪のあとも咳だけ残る」と感じたら、我慢せず、早めに呼吸器専門医へご相談ください。
原因をしっかり見極めることで、再発を防ぎ、快適な呼吸を取り戻すことができます。
方南町呼吸器内科では、咳の原因を丁寧に調べ、患者様一人ひとりに合った治療をご提案しています。